トップ みんプロプラス バックナンバー(2015.07) 意外と知らない、送り火のやり方、時期

意外と知らない、送り火のやり方、時期

日本古来の風習である「お盆」。
当たり前に行われているお盆の行事ですが、意外と知らないことが多いのも事実です。
「送り火」もその1つで、それぞれの地域により「送り火」のやり方は異なります。
今回は「送り火」について、わかりやすくまとめてみました。

お盆とは?

1年に1度、先祖や故人の霊が私たちのもとに帰ってくると言われている期間のことです。
盆棚や盆提灯などを用意して準備を整え、お墓の掃除とお墓参りをします。
また、霊が迷わないように迎え火をして家に招きます。
花や水、食べ物などのお供えをして、お盆の期間は家族と共にゆっくりと過ごして頂き、盆明けには送り火を焚いて送ります。

お盆の期間

お盆の時期は地域によって異なります。それは、お盆には「新暦のお盆」と「旧暦のお盆」という2通りあるからです。
7月(新のお盆):7月13日〜7月16日(または15日)です。
8月(旧のお盆):8月13日〜8月16日です。
また新盆とは故人の四十九日が済んだ後、初めて迎えるお盆のことを言います。

送り火とは?

先祖や故人の霊をお迎えするのが「迎え火」で、送るのが「送り火」と言います。
送り火とは、文字通りに先祖や故人の霊が道に迷うことなく帰れるように送り出す火のことです。

送り火を行う日は?

7月では7月16日(または15日)、8月では8月16日に送り火を焚いて先祖や故人の霊を見送ります。
※7月か8月かは、地域により異なります。

送り火のやりかた

地方によってやり方は様々ですが、一般なやり方を今回ご紹介します。
送り火をする日の夕方頃に、家の玄関前や門口など火を使っても安心な場所で、焙烙(ほうろく・素焼きの土鍋の一種)の上に、おがら(皮をはいだ麻の茎)を置き、火を焚きます。
燃えて残ったおがら(灰)は、ゴミとして捨ててしまっても大丈夫です。
現代では、ネットでもセットで購入することができます。
また、マンションなどで「送り火」は行えないという人は、盆提灯を玄関先や窓際に飾るだけで良いのです。
盆提灯の灯りが、送り火の代わりになるからです。
現代では「LED盆提灯」「インテリア調の盆提灯」「ミニ盆提灯」など種類も豊富にあります。

伝統的な送り火の行事

京都府で伝統的な送り火の行事といえば「五山送り火」が有名です。
「大文字焼き」のことで、山肌に松明(たいまつ)で文字を描き、特に東山の「大」文字が有名です。
長崎県では「精霊流し」です。
精霊流しは送り火の1つです。
近年は故人の霊を乗せた「精霊船」を海に流すことはできませんが、昔は「幻想的な美しい光が港をうめつくされていた」と伝えられています。

お盆は、先祖代々から受け継がれてきた「いのちのつながり」の大切さを確認する期間でもあります。
先祖や故人の霊に感謝しつつ、その時を迎え、お見送りをしましょう。

「送り火」についてメンバーと話してみませんか?