みんプロレポート vol.17

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④ O CAFE (浪江町)

続いて、O CAFEを訪問しました。O CAFE は、オーナーの岡洋子さんが、震災後、避難している間に自宅の獣害がひどくなり自宅を解体することになった際に、子供たちの成長を記録した柱の傷を残しながら、倉庫を改装して作ったカフェです。カフェといっても飲食店ではなく、避難している方が浪江に自宅を見に戻ってきたりした時に、ふらっと立ち寄れる場所として作られました。

ツアーの様子の写真

岡さんは、浪江町の出来事を紙芝居で伝える「浪江まち物語つたえ隊」の活動もしています。震災当時の状況を知るための紙芝居を読んでくださいました。紙芝居の演目は「浪江町消防団物語『無念』」というもので、消防団の方の震災当時の恐怖と、救助活動を通しての様々な葛藤や苦しみがストレートに伝わってくる内容です。岡さんは各地で紙芝居を通じて震災のこと、浪江町のことを伝えていらっしゃいます。

ツアーの様子の写真

紙芝居の後、岡さんが福島で採れた野菜や果物、甘酒とコーヒーなどをふるまってくださいました。大根の煮物、キュウリやハヤトウリのお漬物。果物は大きな梨やリンゴ、ブドウ、柿。どれも新鮮で美味しく、メンバーの手が止まりませんでした。

岡さんは、終始笑顔で明るく一人ひとりを歓迎してくださり、O CAFE は初めて来たとは思えないくらい居心地の良い場所でした。

【メンバーコメント】
  • O CAFE の岡さんが地域の方々のために帰る場所を作ったその心にとても感動しました。おもてなしも素晴らしく、心が温まり、このつながりをどうにか継続したいと思いました。
  • O CAFE では、紙芝居がとても心に残りました。震災関連死が多いということに驚きました。辛い出来事を淡々とお話してくださり、でも最後には笑顔で「来てくれてよかった」と言っていただきました。ネットで情報を知ることはできますが、やはりこうやって生身の声を実際に聞くということが、本当に必要だと思いました。
  • O CAFE の岡さんがとても素敵でまた来たいと思えた場所でした。紙芝居もとても良く、岡さんの話を聞いているだけで涙がでてきました。おもてなしもとても嬉しく、美味しかったです。岡さんのおかげで浪江町がとても素敵な場所で、戻ってきたい場所に感じました。
  • 岡さんのおもてなしに感激しました。戻ってくることも、戻らないこともつらかったんだろうなと思います。柱の傷は私の実家にもあります。なくなると思うとやはり悲しい。いろんな方に見て触れて欲しい場所です。紙芝居もいろんな場所で見ることができたらいいなと思います。
  • O CAFEの存在は「帰れる場所」として、訪問者に過ぎない私たちの心にも希望の光を与えてくれました。これからの浪江の町、人々を想う岡さんの願い。一個人の行動がこうして「救い」となりうることが証明されていました。紙芝居の後、コーヒーをドリップするお手伝いをさせていただいた際、湯を投じた時のコーヒー豆(粉)のふくらみ方を見て、岡さんが焙煎したての豆を用意してくださっていたのだと分かりました。数々のお茶うけも、岡さんが私たちのために心をこめてご準備してくださったことが伝わり、あたたかいひとときでした。

⑤ まるせい果樹園(夜の果樹園・福島市)

みんプロメンバーたちは、浜通り地域からバスで移動し、中通り地域にやってきました。

「まるせい果樹園」は、福島市で1年中さまざまな果物を栽培し、果物狩りや販売、カフェを運営している果樹園です。広大な畑にさくらんぼ・もも・梨・リンゴ・ブドウ・西洋梨・柿と、1年を通して旬の果物を楽しめます。

今回のツアーでは「夜の果樹園」を体験しました。「まるせい果樹園」のたくさんのリンゴの木がライトアップされた幻想的な空間の中で、ブイヤベース芋煮風など、地元で人気のサイトウ洋食店オーナーシェフの斎藤正臣さんが作る地域食材をふんだんに使ったお料理をいただきました。

ツアーの様子の写真

その後、カフェスペースで「まるせい果樹園」の採れたての果物をたっぷり使った、名物のパフェをいただきながら、代表取締役の佐藤清一さんから震災以降のお話を伺いました。原発事故の影響で果物が売れなくなってしまい、都内に販売をしに行っても福島産と聞いただけで買っていただけない状況が当たり前だったそうです。そこで、厳しくしっかりと放射性物質の検査をすることに加え、GAP認証の取得などに取り組み、震災前以上に売り上げを回復されたそうです。これらの取組により、どこの果物よりも安全性が高いとおっしゃっていました。そのような苦労や努力があったのにも関わらず、佐藤さんは笑顔でユーモアに溢れていて、メンバーみんなも元気をもらえるような素敵な方でした。

ツアーの様子の写真

【メンバーコメント】
  • ライトアップした果樹園はとても幻想的で「果樹王国ふくしま」にふさわしい取り組みだと思いました。最近、いろいろな雑誌で女子旅が人気ですが、こういったおしゃれな試みをアピールすることで福島の新たなる魅力を発信して人を呼ぶことが出来るのではないかと思いました。
  • ライトアップされた果樹園は本当に素敵でした。そんな中で頂いた食事も最高においしく、パフェのサプライズにも感激しました。福島県の果物の美味しさを存分に味わえて嬉しかったです。今以上に、福島県の農作物が店頭に並ぶことを願っています。
  • 言葉にならないぐらい素敵でした。果樹園と美味しいお食事。夢のようでした。来年も伺いたいです。
  • 台風の合間の一夜に無事行われた<夜の果樹園>。都会的なセンスでとてもお洒落にまとめられていて(失礼な言い方でしたらお許し下さい)、都会ではあまりできないイベント。福島県産の食材も抵抗なく受け入れられるでしょうし、都心からのお客様も満足の人気イベントとして、今後一層充実していきそうです。ただロケーションやお料理やイベント内容としては模倣したものや「もっとすごいもの」は出てくる可能性はあります。でも決して真似ができないもの・・・それが「佐藤さんのお話」。震災後、苦労を振り切るようなあの笑顔と明るさで果樹園を盛り立ててきた佐藤さんの存在は、こちらでのイベントを唯一無二のものにしていると感じました。人生の中で苦難にあったとき、こうして前を向いて力強く生きていくんだ、という勇気を多くの人に与えてもくれるのではないかと思いました。てんこ盛りの贅沢なフルーツパフェもご馳走様でした。
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